WORKS
翻訳会社のオンサイト業務とは?
業務内容や役割についてご紹介します。
翻訳コーディネーターとは?
翻訳会社に社員として就業し、クライアントと登録翻訳者との橋渡しをするのが翻訳コーディネーターの役割。クライアントから原文を預かったら、どんなふうに訳してもらいたいかという要望を正しく把握し、適した登録翻訳者を選定して依頼します。スケジュールやコストを意識しながら管理・進行する能力も求められます。
翻訳チェッカーとは?
翻訳者が仕上げた翻訳文書を、クライアントが希望する”商品”の品質になっているかどうか確認するのが翻訳チェッカーの仕事。
誤字脱字や訳モレがないか、クライアントが作った用語集(特定の用語に対する訳語を指定したリスト)やスタイルガイド(表記や表現のしかたを定めたもの)に沿っているか、などのチェックが主な業務です。日々、プロの翻訳者たちが訳した文書を目にするため、翻訳者を目指すうえでは多くの表現や知識を習得できる職種です。
オンサイトでの翻訳
フリーランス翻訳者の活躍の場は、自宅だけとはかぎりません。翻訳会社に出向いて翻訳業務にあたる=オンサイトというケースもあります。
たとえばIT、ERP(基幹ソフト)、ゲームなどの分野で、参考資料のデータ量が大きい、特殊なツール・PC環境が必要、などの理由で企業内でないと翻訳業務に支障をきたす場合や、複数の翻訳者間での確認や用語の統一が必要な場合、機密性が高い場合などに、オンサイトでの勤務を求められることがあります。
翻訳会社は、翻訳者が翻訳しやすい環境を提供することで品質を向上させ、チェックの時間を大幅に短縮できます。翻訳者の質問にその場で確認や統一を図れることも、品質向上につながります。
翻訳者側も、求められる品質を確認しやすく、疑問点をその場で解決しやすいというメリットがあります。また、翻訳以外の関連作業が見えるため、クライアントに納品されるまでの行程における翻訳者の役割を理解することができます。
新しい翻訳ツールなど、自宅にない環境を体験できるのもオンサイト勤務ならではです。
フリーランスのIT翻訳者として、在宅・オンサイトの両方で活躍
市川昌基さんインタビュー
私はフェロー・アカデミーの実務翻訳コースでIT翻訳を学習しました。授業で学んだノウハウはもちろんですが、今になって思えば、翻訳者にとって「基本中の基本」といえることを授業の場で気軽に聞けたこともよかったですね。在宅で仕事を始めると、プロが知っていて当たり前のことをいちいちクライアントに聞くわけにもいかないですから、それを受講生時代に解消できたのは大きかったです。
受講後は、翻訳者ネットワーク「アメリア」で紹介されている求人情報の中から、未経験でも応募できる在宅翻訳者のトライアルを探しました。4社くらいに応募した結果、2社に登録することができました。
晴れてフリーランス翻訳者として在宅での仕事をスタートできたたのですが、仕事をしてしばらくすると、ちょっとした行き詰まりを感じ始めたんです。どうすればもっと翻訳がうまくなるのか? どうすれば企業の意向に沿えるのか? という悩みが出てきたんですよね。そこで一旦、オンサイトの仕事についてみようと思ったんです。6ヵ月ほど翻訳会社に勤めて、翻訳やチェッカーの業務に携わっていました。
翻訳の現場に身を置いたことで、翻訳はサービスであるという点、それから全体の流れにおける自分の役割を意識できるようになったと感じています。ただいきなり最初からわかったわけではなく、「こうなんだろうな」と思っては、また「あぁ、やっぱりこうだった」と反省し、それを繰り返しつつ今に至ります。それでも昔よりはちょっと前進してると思います(笑)。
一年間にわたって契約社員としてオンサイト勤務していた時期には、コーディネーター職に就いていました。コーディネーターといっても、翻訳会社によって求めるものが違うこともありますが、コーディネーターの仕事は自分にけっこう合ってると思います。
以前、フェロー・アカデミーのパンフレットに載ったときに「お金を稼ぐ!」という目標を掲げてしまったので、その目標も持ちつつ、あとは楽しみながらやりたいですね。いまさらながら、この業界、けっこう面白いんですよ。
取材協力
- 市川昌基さん
- 2001年にフェロー・アカデミーの実務翻訳コースでIT翻訳を学習したのち、同分野の翻訳者として次々にクライアントを開拓。あるときは在宅、あるときはオンサイトで翻訳関連業務に関わり続け、現在に至る。