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翻訳料金の相場は?
単価の決まり方や内訳について解説
「見積もりで提示された金額は、相場よりも安い?」
など、翻訳料金について悩んだことはありませんか?
翻訳サービスの料金設定は、いくつかの要素が掛け合わされて、正式な金額が決まります。
今回は、翻訳料金の相場と共に、単価の決まり方や事例について、詳しく解説します。
翻訳を依頼する際にチェックしておきたいポイントも3つ紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
翻訳の料金単価はどうやって決まる?
翻訳にかかる料金相場は、いくつかの要素で成り立っています。
一般的な翻訳料金の決め方は、次の4つの算出方法が用いられるケースが多いです。
● 文字や単語数
● 翻訳言語の種類
● 翻訳内容、分野
● 納期
ここで一般的な翻訳の料金について確認していきましょう。
文字数や単語数による算出方法
翻訳料金の相場は、一般的に翻訳する原稿の文字数や単語数によって決まるケースが多いです。
翻訳にかかる労力は、基本的に原稿量に比例している場合が多く、長くなればなるほど訳すのに時間がかかります。
一般的に翻訳を受注すると、文字もしくは単語あたりの単価が提示され、翻訳する長さに応じて料金が変動します。
日本の翻訳業界では、文字単価が採用されるケースが多いですが、英語圏では単語数による計算が主流です。
また、基本的には原文の長さを基準に料金が決定されるため、翻訳した原稿の文字数や単語数ではないので注意しましょう。
文字・単語数による料金設定に内容の専門性や納期に応じた上乗せがあり、見積もり料金が決まります。
翻訳言語の種類による算出方法
取り扱う言語によって、翻訳料金の相場は上下します。
一般的に、英語や中国語、韓国語など、翻訳者が多くいる言語は、翻訳料金も低く設定されているケースが多いです。
イタリア語やオランダ語など、翻訳者が少ない言語は料金相場も高く、珍しい言語になればなるほど料金は高くなります。
ほんの一例ですが、言語別の料金相場をまとめました。
出典|「翻訳にかかる平均費用と料金相場」
翻訳言語によっては、文字単価ではなく単語単価になる可能性があります。
珍しい言語の翻訳をする際は相場を確認してから見積もりを取得するとよいでしょう。
また、珍しい言語を取り扱っている翻訳家を見つけたら、翻訳単価について問い合わせておくと発注する際に調整がスムーズです。
翻訳内容の専門性による算出方法
翻訳料金は文字数や言語のほかに、翻訳する内容によっても大幅に相場が異なります。
たとえば、翻訳需要の多いビジネス文書は、手紙など一般文書よりも相場が高くなりがちです。
さらに医療や法律など、専門的な翻訳を依頼する場合、専門性の高さに応じた料金が設定されます。
専門的な分野の翻訳は、専門知識を有したレベルの高い翻訳家に依頼するケースが多いため、料金は安くはありません。
日本語から英語に翻訳する際の内容別に、1文字あたりの料金相場は以下にまとめました。
出典|日本翻訳連盟「翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安」
今回は日英翻訳での一般的な相場を例に紹介しています。
具体的な料金は依頼する翻訳会社や翻訳家によって異なるため、見積もりの取得は欠かせません。
同じビジネス翻訳でも、契約書と技術書の翻訳で料金が異なるケースが多い点にも注意が必要です。
また、翻訳する言語によっては、専門性の高い翻訳に1文字あたり30円程度かかる可能性もあるでしょう。
納期による相場
ここまでは翻訳作業による料金相場について紹介してきましたが、単価が値上がる要因として納期の長さがあります。
翻訳を依頼する際、基本的に通常料金と共に納期が提示されるケースが一般的です。
納期が短い場合、基本料金に上乗せして特急料金が設定されることが多いでしょう。
例えば、通常納期7日のところ、3日で対応してほしいと依頼した場合、基本の翻訳料金に20%上乗せしている翻訳会社が多いです。
どれだけ納期を早めるかによっても上乗せ料金は異なります。
ただし、スピードを重視した納品をモットーとしているフリーランスの翻訳家に依頼すれば、同じ日数でも特急料金がかからない可能性もあります。
急いで翻訳作業をしてもらいたい場合は、スピード納品対応をしてくれる翻訳家を探すのもおすすめです。
ネイティブチェック料金
ネイティブチェックとは、翻訳する言語を使用している現地の方または、ネイティブスピーカーに翻訳原稿をチェックしてもらう際、発生する料金です。
誤訳だけでなく、自然な表現ができているかなど、細かいニュアンスまでチェックしてもらえるため、欠かせない作業の一つです。
ネイティブチェックの料金は、翻訳する文字や単語数を基準に算出されます。
翻訳料金に含まれている可能性もあるため、翻訳を依頼する際にオプション料金になるのか確認しておきましょう。
一般的なネイティブチェック料金の相場は、1文字あたり10円前後であるケースが多いです。
また、専門的な内容、珍しい言語の場合は、相場よりもネイティブチェック料金が高くなるかもしれません。
翻訳家の訳文をより自然に仕上げるためにも重要なポイントなので、金額だけでなくチェック体制についても確認しておきましょう。
版下作成料金
版下作成とは、翻訳した原稿をパンフレットやチラシ、Web広告などのデザインに落とし込むDTP作業です。
デザイン分野となり翻訳とは別の専門知識と技術が求められるため、依頼できる翻訳会社は多くありません。
版下作成を翻訳とまとめて依頼する場合、書式変更やデザイン調整なども含め、調整作業が多く、翻訳料金とは別に料金が発生します。
版下作成料金は、作業内容や時間、依頼するページ数に応じて料金が変動しますが、一般的に1ページにつき1万円前後が相場です。
テキストのみのシンプルなデザインであれば版下作成料金も安く、図表や写真などの作成、調整が必要になれば高くなる傾向があります。
翻訳会社や依頼する担当者によって、版下作成料金自体も変動しやすいので、DTP作業も含め依頼する場合は、事前に対応してもらえるか確認しておきましょう。
ミニマムチャージ料金
ミニマムチャージ料金は、翻訳する文量を問わず発生する最低料金を指し、翻訳会社で設定されているケースが多いです。
必ずミニマムチャージ料金が発生するわけではありませんが、設定されていない場合は最小依頼文字数が指定されている可能性があります。
たとえば、文字単価10円で全文500文字の場合、翻訳料金は5,000円ですが、ミニマムチャージ料金に1万円設定されていた場合は請求金額が1万円になります。
翻訳には翻訳家だけでなく、ネイティブチェッカーなどの関わりもあり、ミニマムチャージが設定されていることも少なくありません。
ミニマムチャージ料金が発生しない場合、最低受注文字数単価が設定されている可能性もあるため、翻訳を依頼する際に確認しましょう。
翻訳料金の事例
ここからは、実際に翻訳する際の料金を事例と共に確認していきましょう。
あくまでも相場なので、翻訳会社や翻訳分野によっては高額になったり、安くなったりするかもしれません。
ここでは一般的な翻訳を依頼する場合の料金事例を紹介します。
一般的な日英翻訳
日本語から英語への翻訳料金は、翻訳する文字数によって金額が異なります。
一般的文書やビジネス文書を翻訳したときの翻訳料金事例はこちらです。
出典|「翻訳にかかる平均費用と料金相場」
日英翻訳を依頼した場合、1000文字程度であれば1〜2万円程度の翻訳料金が相場です。
専門性の高い特許や契約書は、少々割高になります。
依頼する翻訳会社によっては、ミニマムチャージ料金が設定されている可能性があります。
日英翻訳のミニマムチャージ料金相場は、3,500〜5,000円程度です。
また、ネイティブチェックや版下作成を依頼する場合は、別途料金が加算されるケースが多いので、見積もり時に確認しておきましょう。
中国語への翻訳
中国語への翻訳は英語への翻訳と同樣に需要が高いです。
翻訳料金の相場としては1文字あたり8〜12円程度に設定されているケースが多いでしょう。
ただし、日英翻訳と同じく、専門性の高い翻訳が必要な場合は、上記の相場よりも高くなります。
また、英語から中国語へ翻訳を依頼する場合は、10〜20円が一般的な相場です。
依頼する発注内容によって、上記の相場に追加料金が発生するため、見積もりを取得しましょう。
翻訳の依頼先を選ぶポイント
翻訳会社によって料金体系が異なり、同じ作業でも見積もり価格に差があるケースが多いです。
フリーランスの翻訳家に直接翻訳を依頼する場合は、翻訳会社よりも納期や依頼内容に対して、柔軟に対応してもらえるかもしれません。
ここでは、翻訳を依頼する会社、翻訳家を選ぶ際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
翻訳料金の相場と大きく差がないか
翻訳を依頼する際は、見積もり料金が相場からかけ離れていないか確認してみましょう。
料金相場、取り扱う言語によって差があるため、事前に確認しておく必要があります。
相場と見積もりに差がある場合は、オプションが追加されていないかも確認しておくとよいでしょう。
一般的に翻訳相場は、翻訳料金のみで記載されているため、別途料金が発生するケースも多いです。
また、見積もりを確認する際は、具体的な料金設定を確認するのも忘れてはいけません。
一見、翻訳料金が安くても、ネイティブチェックが行われていなかったり、文字数制限があったりと、よく見たら割高というケースもあります。
特に1文字●円ではなく、200文字●円など一定の文字数区切りで料金設定している場合は、文字数オーバーによって料金が繰り上げされがちです。
実際に依頼する文字数や内容を確認してから、詳細な見積もりを取得するようにしましょう。
見積もり外の追加料金が発生しないか
見積もりを取得したら、依頼後に別途追加料金が発生しないか確認しましょう。
たとえば、翻訳原稿の修正は何度まで料金内なのか、版下作成まで依頼する場合は料金内で挿入できる図表はいくつまでかなど、細かく確認する必要があります。
また、何本も同時に翻訳を依頼すると、割増料金が発生する可能性があるため、同時に依頼できる本数も確認しておきましょう。
無料トライアルが利用できるか
最後に確認しておきたいのは、翻訳会社の「無料トライアル」サービスが利用できるかどうかです。
無料トライアルでは、原稿の一部を無料で翻訳してもらうことで、翻訳会社の翻訳レベルを確認できます。
特に珍しい言語は翻訳レベルで文章の質が左右されるため、事前に確認できれば誤訳やネイティブチェックのやり直しなどのトラブルも防止できるでしょう。
無料トライアルが利用できない場合でも、過去の事例や見本文が用意されているケースがあります。
見積もりと共に、翻訳見本を提供してもらえないか、確認してみてください。
まとめ
翻訳料金は、一般的に文字数や単語数を基に単価が決定されるケースが多く、翻訳する言語の種類や内容によってある程度相場が決まっています。
珍しい言語や専門性の高い翻訳が必要な場合は、相場よりも高い金額が設定される可能性もあります。
また、納期やネイティブチェックなど翻訳作業とは別に、追加料金が発生することも忘れてはなりません。
翻訳会社やフリーランスの翻訳家に翻訳を依頼する場合は、見積もりを取得し、納得したうえで依頼しましょう。
納期や見積もり外の料金が発生しないかなど、後でトラブルにならないよう依頼前にクリアにしておくことが大切です。
今回解説した事例や内訳を参考に、見積もり内容をチェックしてみてください。
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この記事の監修
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。