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翻訳を学ぶにはどうすればいい?
おすすめの資格や翻訳学校の選び方
本記事では、翻訳家になるためにおすすめの資格や翻訳学校の選び方を解説します。さらに、翻訳家の仕事内容や、翻訳家に向いている人の特徴についても詳しくまとめました。
この記事を読むことで、翻訳家を目指すための最初の一歩が明確になります。翻訳の仕事がしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
翻訳家になるには?
翻訳とはある言語で書かれた文章を他の言語に直す仕事で、翻訳家はそれを職業としている人を指します。外国語を日本語に翻訳することもあれば、日本語を外国語に翻訳することもあります。翻訳家になるためには、当然語学力が必須です。しかし、語学力以外にも文章力やリサーチ力、翻訳する文書に関する専門知識など幅広いスキルが求められます。そのため、単にTOEICや英検で高得点を獲得するだけでは、翻訳家として活動するのには不十分です。
翻訳家になるためのスキルを身につけたいなら、翻訳学校に通うのが近道です。翻訳学校とは、翻訳家を目指す人が翻訳家になるために必要なスキルを習得できる場所です。通学講座はオンライン化が進んでおり、学校が近くになくても授業が受けられるようになってきました。授業は決まった時間に行われることが多く、後でアーカイブ配信が観られるケースもあります。
まとまった時間が取れない方は通信講座を利用するのが良いでしょう。
翻訳スキルを学んでから仕事を得るまでの流れ
翻訳スキルを学んでからどのように仕事を得るのかを解説します。
翻訳家は翻訳会社に就職するパターンと、翻訳会社と業務委託契約してフリーランスとして働くパターンが多いです。その他、法律事務所や特許事務所に所属し、弁護士などの指示のもとで法律分野の翻訳を行う、ゲーム会社に就職してゲーム関連の翻訳を行うといったパターンもあります。
また外資系企業や日系グローバル企業も、さまざまなドキュメントを他言語に展開させる必要があるため、翻訳業務が発生します。
いずれの場合も翻訳学校などで基礎スキルを身につけ、戦力として活躍できることを職務経歴書や面接などでアピールすることが肝心です。また、フリーランスとして翻訳を受注する場合、翻訳会社のトライアル試験に合格して翻訳者として登録される必要があります。
翻訳家の仕事の分野
翻訳家の仕事の分野は大きく分けて3種類あります。
- 実務翻訳(産業翻訳)
- 出版翻訳
- 映像翻訳
翻訳家になる前に、自分はどの分野に関わりたいのか考えておくことが大切です。分野によって必要なスキルも変わります。それに伴い、翻訳学校で受けるべき講座も変わってきます。
翻訳の分野について詳しく解説します。
実務翻訳(産業翻訳)
実務翻訳とは、企業や官公庁等で発生するビジネス文書を翻訳することを指します。実務翻訳と一口にいっても、ITや医療、金融、法律などジャンルは多岐に渡ります。
実務翻訳を行う場合、その分野の知識が必要です。
たとえば、IT関連の文書を翻訳する場合、ネットワークやプログラミングなどの知識が必要な場合があります。専門知識がないと原文の理解に時間がかかってしまいますし、適切な言葉を選ぶこともできません。
また、翻訳にあたっては正確であることがより求められる分野でもあります。たとえば、医療関連の翻訳の場合、医薬品に関する情報に誤りがあればと重大な事故に繋がる恐れがあります。契約書に誤訳があればトラブルにつながりますので、正しく訳すことが大切です。
出版翻訳
出版翻訳とは、海外で出版されている本を翻訳することを指します。海外の人気作家やベストセラー作品、映画化される作品などは翻訳されやすいです。ビジネス本や自己啓発本も、多く翻訳出版されています。
翻訳書の表紙に自分の名前が載ることになるため、出版翻訳に憧れている方は多いと予想されます。
出版翻訳の場合、翻訳としての正確さに加えて、作品をそのまま再現するための語彙力や、表現力が求められます。作品としての魅力を伝え、読者に原書の世界感をそのまま味わってもらえる翻訳をしなければなりません。
映像翻訳
映像翻訳とは、映画やドラマ、ニュース番組などの映像作品翻訳することを指します。吹き替え版のセリフを作成したり、字幕を作成したりします。
映像翻訳の場合、翻訳の正確さや表現力に加えて、映像に合わせて翻訳するスキルが求められます。役者の口の動きや身振り手振りに合った翻訳にしないといけません。
字幕であれば文字数にも制約があり、それに従って翻訳する必要があります。
翻訳家に向いている人とは?
翻訳家に向いている人の特徴として次の4つが挙げられます。
- 外国語への高い理解力がある
- 何かを調べることが好き
- 読書や文章を読むのが好き
- 自己管理能力がある
このような特徴を持つ方は翻訳家に向いていると言えます。また、これらに該当しない方も、これから学習を重ねていくことで適性を磨くことが可能です。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
外国語への高い理解力がある
翻訳家として的確な表現をするためには、外国語に対する深い理解が不可欠です。文法や意味といった知識だけでなく、背後にある意図や文化的なニュアンスを正確に読み取れるだけの高い語学力が求められます。
普段から海外の作品やニュースに触れ、言葉だけでなく他国の文化や歴史に興味を持てる人は、翻訳家としての適性が高いといえるでしょう。
何かを調べることが好き
何かを調べることが好きな方も翻訳家に向いています。翻訳作業は調べものが大半、といっても過言ではないためです。
実務翻訳の場合、専門用語や固有名詞の意味や正しい表記などを確認する必要があります。また翻訳にとりかかる前に類似情報にあたって原文の理解を深め、書かれた意図を理解してから翻訳にとりかかったほうが適切な翻訳ができます。また、出版翻訳や映像翻訳は作品の雰囲気をあますことなく再現するため、舞台となる土地や時代についてできるだけ調べます。また作品のジャンルによって、医療、法律、宗教などさまざまなテーマが背景となり、フィクションであっても史実がベースとなることも多いため、事実関係や適切な言葉を調べる必要があります。
リサーチが不十分な状態で翻訳に取り掛かるのは、翻訳の品質を下げることになります。
読書や文章を読むのが好き
翻訳家は、読書や文章を読むことが好きな人に適した職業です。
さまざまな文体やジャンルの文章に触れる機会を持つことは、語彙力を磨くきっかけにもなります。
実際に翻訳家として活躍している方の多くは、読書好き、または文章を読むことに抵抗がない人が多い傾向があります。ドラマや日常生活から、生きた言葉遣いを収集することにも余念がありません。
ジャンルを問わず幅広い本や文章を読むのが好きで、言葉への興味が強い人なら、翻訳家としての仕事を楽しめるでしょう。
自己管理能力がある
翻訳家は独りで作業することが多いため、自己管理スキルが求められる職業です。1つの案件を担当する場合はもちろん、複数のプロジェクトを同時に進める際には特に厳格なスケジュール管理が必要になります。
特にフリーランスの翻訳家として活動する場合、納期遅れは信頼感を損ない、次の依頼が途絶える可能性も。体調管理を含めて自己管理を徹底できる人こそ、翻訳家としての適性が高いといえるでしょう。
翻訳家を目指すにあたっておすすめの資格・試験
翻訳家を目指すにあたっておすすめの資格・試験について解説します。おすすめの資格・試験は次の3つです。
- TOEIC・英検
- JTFほんやく検定
- 「アメリア」定例トライアル
このような資格に合格することで、翻訳家としての基礎スキルを得られます。また、翻訳会社などに就職する場合も有利になる可能性があります。
ひとつひとつの資格・試験について詳しく解説していきます。
TOEIC・英検
TOEICや英検は、翻訳家を目指すなら最低限受験しておきたい資格です。TOEIC・英検の点数は英語を扱う仕事を行えるだけのスキルがあるかの物差しとして使われることもあります。
翻訳の求人応募条件として求められるTOEICのスコアは「800点以上~950点以上」が一般的です。一方、英検の場合は「準1級」または「1級」が条件となることが多いです。
TOEIC・英検は問題集や参考書が多く販売されています。また、オンライン教材も多くあるので、自分にとって分かりやすく学習を続けやすい教材を選びましょう。
JTFほんやく検定
JTFほんやく検定は日本翻訳連盟が実施している検定です。翻訳の完成度に応じて、1〜3級の合格、または不合格を判定します。3級以上の合格者には「翻訳士」の称号が授与されます。翻訳家を目指したい方や、翻訳家として腕を磨きたい方に最適な検定です。
JTFほんやく検定には英日翻訳と日英翻訳の2つの科目があります。出題分野は選択制であり、政経・社会や科学技術など5つの分野から選択できます。
「アメリア」定例トライアル
「アメリア」は会員制(有料)の翻訳者ネットワーク。年間約1000件の求人案件が寄せられ、応募条件さえ満たせば翻訳の実務経験がなくても応募できる求人も多いため、学習者にとって頼れる存在です。
その「アメリア」が毎月実施している定例トライアルは、企業のトライアルを想定した内容で会員であればどなたでも応募できます。
訳文はAA~E段階で評価がつき、AAを取得すれば実力のお墨付きとなる「クラウン会員に認定」され、応募できる求人の数がぐっと増えます。また企業からスカウトされる可能性も高まります。何度でも応募できますので、実力の確認として定期的にトライすると良いでしょう。
→アメリアの詳細はこちら
翻訳が学べる学校の選び方
翻訳を学ぶなら翻訳学校に通うのが近道ですが、どの学校を選べば良いか分からない方も多いかと思います。そこで、翻訳学校の選び方について解説します。
翻訳学校は次の3つを重視して選ぶことをおすすめします。
- 講師による個別フィードバックがあるか
- 専門分野を学ぶための講座があるか
- 卒業後のサポートの有無
ひとつひとつのポイントについて詳しく解説していきます。
講師による個別フィードバックがあるか
講師が添削などを通じて自分の訳文をチェックし、フィードバックしてくれる翻訳学校がおすすめです。
翻訳は自分では間違いに気がつかないことが多いです。知らず知らずのうちに誤訳や分かりにくい表現を多用していることもあります。そのため、第三者にチェックしてもらえるかどうかは重要です。
現役で活躍するプロの翻訳家にチェックしてもらえば、上達が早くなります。
専門分野を学ぶための講座があるか
翻訳学校に専門分野を学ぶための講座やコースがあるかも重要です。たとえば実務翻訳の中でも、ITや医薬、など翻訳需要の大きい分野を扱った講座があるかなどを調べましょう。
自分が目指している分野を重点的に学べる講座があれば、効率的に学習できます。
➡︎翻訳学校「フェロー・アカデミー」の講座内容を見たい方はこちら
卒業後のサポートの有無
翻訳学校の中には、卒業後の就業支援や求人情報の提供を行っているところもあります。フリーランスの翻訳家として独立を目指す場合や、翻訳を扱う企業への就職を希望する場合、こうした支援は非常に役立ちます。
スクールであれば、仕事経験のない方に向けたサポートが充実している可能性が高く、仕事の探し方についてアドバイスが受けられるケースもあります。企業とのネットワークが豊富なスクールであれば、さまざまな選択肢を提案してもらえるでしょう。
まとめ
本記事では翻訳家の目指し方について解説しました。翻訳を学ぶためのおすすめの資格や翻訳を学べる学校の選び方などがおわかりいただけたかと思います。
社会人がいちから翻訳を学ぶのであれば翻訳学校に通うのがおすすめです。翻訳学校を選ぶ際は、翻訳家である講師から、個別フィードバックが受けられるか、自分が学びたい分野の専門コースが用意されているかなどに着目することをおすすめします。
また、翻訳家を目指すにあたって今からでもできることは、資格取得を目指すことです。TOEIC・英検やJTFほんやく検定などの資格・検定に向けて勉強することで、翻訳家としての基礎力を身につけることができますし、自分の客観的な実力も把握しやすくなります。
翻訳家を目指すならフェロー・アカデミーへ!
仕事に繋がる翻訳スキルを学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。
翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能です。
「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。
学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。コース別の説明会、プラン選びのための学習カウンセリングも実施しています。
この記事の監修
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。