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翻訳家におすすめの資格とは?
取得する流れとメリットを解説

 
「翻訳家として活躍するために資格や検定は必要?」
「どんな資格があれば翻訳家になれる?」


語学力や専門性が問われる翻訳家には、特別な資格が必要だと感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は翻訳家として活躍するためにおすすめの資格、検定を7つ紹介します。

受験要項や特徴、取得するメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

翻訳家は資格がなくても活躍できる?

翻訳家は資格がなくてもなれる職種です。
フリーランス、企業勤めどちらの翻訳家でも、特定の資格がなければ活躍できないケースは非常に少ないです。

しかし、携わる案件によっては翻訳の実力を表すために必要とされる場合があります。

資格がなくても翻訳家として活躍はできる

翻訳家として仕事を始める際、特別な資格は必要ありません。

語学力や専門知識など翻訳者としてのスキルがあれば、フリーランスとしても社内翻訳家としても活躍できる職種といえます。

しかし資格がまったく役に立たないわけではありません。
クライアントに実力をアピールできる資格であれば、持っておいたほうがよいでしょう。

難易度の高い翻訳には資格取得が有利

翻訳案件のなかには「TOEIC900点以上」「ビジネス中級レベル」など、実力のスコア化が求められるケースがあります。応募条件としてTOEICや英検が求められる求人もあり、条件を満たしていなければその求人には応募すらできません。

資格や検定の取得は必須ではないものの、自分の実力をスコア化するためにも勉強しておいたほうが、活躍できる場が広がると言えるでしょう。

翻訳家におすすめの資格・検定

ここからは翻訳家におすすめの資格、検定を7つご紹介します。

案件によって強みとなる資格は異なりますが、翻訳家としての実力をアピールするにはどれも取得しておいて損はありません。

プロの翻訳家として活躍するのであれば、次の7つは必要に応じて取得しておきたい資格でしょう。

英検

英検は英語の総合力を測る資格で、7種類のグレードがあります。
プロの翻訳家として活躍するのであれば、最低でも準1級は目指してみましょう。
準1級は大学中級レベルと言われていて、実際に使える英語力の証明として筆記とリスニング、スピーキングテストが行われます。
1級は大学上級レベルとなり、英語力以外にも発信力と対応力が求められ、より実践的な実力が求められます。

英検は全国各地で年3回ほど試験が実施されているため、自分のペースで受験できるのもおすすめのポイントです。
受験する級によって試験時間や受験料が異なるので、事前に確認しておきましょう。

TOEIC

TOEICは国際的に認知されている英語力を測る資格です。
リーディングとリスニングの2種類で構成されている試験で、合否ではなく、正答率によってスコアが表示されるため、英語の実力をアピールしやすいでしょう。
TOIECはビジネス翻訳で評価されやすく、求人でもTOIECの点数を条件に募集しているケースがあります。

プロの翻訳家として活躍するのであれば、850点以上が目安とされていますが、翻訳は英語力だけでは不十分なのであくまでもひとつの目安と言えるしょう。

JTFほんやく検定

JTFほんやく検定は基礎レベルをから、プロの翻訳家としての高度なレベルまで、5段階で実力を測れる検定試験です(2024年4月現在「基礎レベル(4級および5級)」は休止中)
3級以上が実用レベルとされ、金融や政経、医学や情報処理など5つの出題分野から得意な分野を選択できます。

3級以上に合格すると「翻訳士」としての称号が付与され、2級以上に合格した場合は翻訳会社によるトライアルの免除や仕事のスカウトがあるかもしれません。
実力のアピールだけでなく、仕事が獲得しやすくなる検定なので、ぜひ2級以上の獲得を目指しましょう。

JTA公認 翻訳専門職資格試験

日本翻訳協会(JTA)が行っている翻訳専門職資格試験は、翻訳の基礎力をアピールしたい方におすすめの資格です。合格すると、JTA公認の翻訳専門職資格が取得できるため、履歴書やポートフォリオに公的な資格として記載できます。

対象言語は英語と中国語の2種類あり、それぞれ4科目の合格が必要です。

ほかにもJTAでは、ビジネス翻訳能力検定試験や、中国語翻訳能力検定試験など、さまざまな分野の翻訳能力を測れる検定資格を実施しています。自身のアピールポイントを増やしたい方は、ぜひ一つの目標として取得を目標にされてみてはいかがでしょうか。

知的財産翻訳検定

知的財産翻訳検定は、需要の高い特許翻訳家として活躍したい方におすすめの資格です。
特許翻訳には、一般的な翻訳スキルに加えて、特許特有の考え方や専門知識など、知的財産に関する力が求められます。

国内で唯一の知的財産翻訳検定のため、取得すれば、特許翻訳家として優れた知識、スキルを保有しているとアピールできるでしょう。
受験科目は3段階に分かれていて、1級は知財法務、電気・電子工学、機械工学、化学、バイオテクノロジーの5つから分野を選択し受験できます。
専門分野の特許翻訳家になりたい方は、ぜひ1級の取得を目指してみてください。

翻訳実務検定(TQE®)

翻訳スクールを運営しているサン・フレア アカデミーが実施している翻訳実務検定(TQE®)は、実務レベルの翻訳力が測れる資格です。
合格すると、翻訳実務士として認定されサン・フレアに翻訳者登録されます。
翻訳者登録後は継続的に仕事が受注できている方が多く、フリーランスとして活躍したい方は取得を目指してみるとよいでしょう。

受検できる分野は15種類、科目は19種類と多く、英語のほかにも韓国語や中国語、フランス語、ドイツ語など7言語から選択できます。
複数の分野に対応した翻訳家を目指すなら、併願受験するのもよいでしょう。

各言語検定

中国語や韓国語、フランス語、ロシア語など、さまざまな国の翻訳を行う翻訳家は、それぞれの理解度チェックとして各言語で開催されている言語検定もおすすめの資格です。
普段受注している主な言語はもちろん、これから特化していきたい言語の理解度を深める目的で受験するのもスキルアップのためによいでしょう。

言語によって認定レベルや受験料は異なります。
受験したい言語の検定があるか、適正レベルはどの程度なのか、各言語検定のHPで確認してみてください。

定例トライアル(翻訳者ネットワーク「アメリア」)

アメリアが実施している定例トライアルは、毎月10種類の分野の翻訳模擬試験です。
評価基準は6段階に分かれ、最上位であるAA評価を取得すると、プロの翻訳家としてクラウン会員に認定されます。

アメリアのクラウン会員に認定されると、翻訳実績が浅い方でも十分な翻訳スキルを持っているとして経験者対象の求人に応募が可能です。
また、クラウン会員としてプロフィールに王冠が表示されるため、企業から直接スカウトが届く可能性も。

開催月によって開催されるテスト分野が異なるので、自信がある分野から受験してみるのがおすすめです。

翻訳家が資格を取得するメリット

資格の取得は自分の実力をアピールできるのが一番のメリットです。
ただし、取得する資格によっては、合格者のみが利用できるデータベースへの登録、特別案件に招待されるケースも。

ここからは翻訳家が資格取得するメリットについて、詳しく解説します。

就職や受注時に実力をアピールしやすい

翻訳家が資格を取得すると、実力を客観的にアピールできるため、結果的に有利になるケースがあります。
特にフリーランスとして働く場合、実務経験や実績がない状態でも、資格をもっていることでクライアントにアピールしやすくなるでしょう。

翻訳に関係がなくても専門知識を有していることを証明できる資格であれば、案件によって有利となります。活用できる資格があれば積極的に挑戦していきましょう。

合格者のみが利用できる認定制度がある

一部の資格、検定のなかには、合格者のみが利用できる認定制度があり、特別なスカウトを受けられる可能性があります。
たとえば、アメリアが独自に開催している翻訳模擬試験「定例トライアル」で高得点を取得すると、クラウン会員として認定されます。
クラウン会員として認定されると、実績がない場合でも実務レベルの実力を持った翻訳家として、経験者向けの求人にも応募が可能となります。

また、JTFほんやく検定にも、トライアル優遇や合格者プロフィールの登録で、就職やフリーランスの受注をサポートしてくれる合格者特典があります。
どの資格を取得していいか迷ったときは、合格後に仕事につながる特典があるかを確認してみるとよいでしょう。

スキルアップの目標になる

資格取得するメリットとして、スキルアップの目標が立てやすくなります。
語学力や表現力は自分の実力がどの程度なのか、なかなか測りにくいかもしれません。
そこで、資格取得の勉強をすれば、仕事に活かしつつ、自分の実力がどの程度なのか数値化しやすくなるでしょう。

時間を作って資格の勉強をするのは大変ですが、将来プロの翻訳家として活躍するためにもぜひチャレンジしてみてください。

資格以外にも身につけておきたい翻訳家のスキル

翻訳家には資格以外にも身につけておきたいスキルがあります。
資格勉強と共に、次の3つのスキルを磨いておくと翻訳家として高い評価が得られるでしょう。

日本語力

翻訳家として仕事をしていくには、英語など他言語のスキルも必要ですが、日本語のライティング力が欠かせません。
原文の意味が理解できても、文意を変えずに日本語にアウトプットするためには、豊富な表現力と理解力が必要です。

日本語での翻訳力を高めるには、普段から新聞や本などを読み、適切な日本語の使い方に触れておくのがよいでしょう。
また、翻訳書を原書と比較しながら読むのもおすすめです。

リサーチ力

翻訳には言語への理解力と共に、リサーチ力も重要です。
原文の内容そのものに誤りがないか、現地の文化や環境に合わせた的確な表現がないかなど、翻訳には調べものが欠かせません。

慎重に裏を取らないと、誤訳をしてしまうリスクもあります。
クライアントがファクトチェックや編集を行う場合でも、誤った翻訳データを納品してしまえばその後の発注がなくなってしまいかねません。
リサーチ力はどの分野でも活かせるスキルですので、ぜひ普段から効率のよい検索方法を追及しておきましょう。

ITスキル

翻訳はデータ上のやりとりがほとんどで、翻訳ツールを使用して効率化できる分野もあります。
翻訳家として収入をアップするためにも効率化は重要であり、翻訳ツールは作業スピードの向上に役立ちます。

翻訳ツールの使用だけでなく、基本的なPC操作やセキュリティ対策を含めたITリテラシーは、翻訳者の適性に関わります。ITスキルも身につけておくようにしましょう。

まとめ

翻訳家として活躍するなら、自身のスキルや実力をアピールするためにも資格取得がおすすめです。
今回紹介している資格や検定以外にもさまざまな種類があり、プロの翻訳家として活躍するならぜひ取得を目指してみましょう。

また、資格取得とともに実践的な翻訳スキルを学びたい方は、翻訳学校の利用もおすすめです。
翻訳スキルを翻訳学校で学びつつ、資格勉強すれば、効率的にスキルアップできます。
翻訳学校では実践的なスキルが身につくので、ぜひ資格取得とともに利用してみてはいかがでしょうか。

最速で翻訳家になるなら翻訳学校がおすすめ

最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。

翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能です。

「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。

学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。

この記事の監修

フェローアカデミー理事長 室田陽子
フェローアカデミー理事長室田 陽子
学習院女子短期大学卒業後、株式会社サンリオに入社。4年間グリーティングカードの企画に携わる。
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。

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