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動画を翻訳する方法は?
映像翻訳の仕事内容と求められるスキル

「海外で作られた動画を楽しみたい」
「自社のPR動画を海外向けにも発信したい」

など、動画(=映像)の翻訳に興味がある方も多いのではないでしょうか。

動画の翻訳の手法には字幕や吹き替え、原作の音声を残しつつ翻訳音声を載せるボイスオーバーがあります。
手軽に翻訳ツールで翻訳する方法もありますが、原作の細かいニュアンスがわからず、楽しみが半減してしまうかもしれません。

本記事では動画を翻訳する主な方法と共に、映像翻訳家の仕事内容や求められるスキルについて解説します。
気になる動画作品をきっかけに映像翻訳に興味を持たれた方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

動画を翻訳する方法とは

動画を翻訳したいと思ったら方法は2つあり、翻訳ツールを使うか、翻訳家に依頼するかのどちらかではないでしょうか。
語学力があれば自身で翻訳するケースもありますが、映像にあわせて翻訳するのは非常に高度な技術です。

ここで動画を翻訳する2つの方法について、詳しく解説します。

翻訳ツールを使用する

YouTubeやストリーミングサービスで海外の動画を視聴する際、翻訳ツールを使用されている方も多いのではないでしょうか。
近年、機械翻訳の精度が飛躍的に向上したため、動画プラットフォーム内でも翻訳が可能になりました。
手軽にその場で翻訳できるため、多くの企業でも翻訳ツールを使った研修動画やPR動画の制作が行われています。

世界的にも代表的な翻訳ツールといえば、次の3つではないでしょうか。

● Google翻訳
● Deep L
● Weblio翻訳

翻訳ツールのなかには、映像作品をそのまま翻訳できるサービスもあります。
翻訳精度が向上したといっても、まだまだ細かいニュアンスは捉えきれず、誤訳のリスクはあります。誤訳までいかなくても、意図が伝わりきらない場合もあるため注意しましょう。

映像翻訳家に依頼する

動画を翻訳するプロフェッショナルといえば、映像翻訳家です。
映像作品を翻訳する専門家として、映画やTV番組企業のPR動画の翻訳など、さまざまなジャンルに対応し、適切な翻訳を行います。

流通している映画作品などの動画は、すでに映像翻訳家が字幕、または吹き替え翻訳を行っているのが一般的です。
無料で使える翻訳ツールとは異なり、映像翻訳家へ翻訳を依頼する場合はコストがかかりますが、作品の雰囲気を損なわない高品質な翻訳をしてもらえます。

動画を翻訳する映像翻訳家になるには?

自ら翻訳したいのであれば、映像翻訳のスキルを身につけるのがおすすめです。
動画を翻訳する映像翻訳を目指すには、映像翻訳の手法や、そのスキルについて知っておく必要があります。

一口に動画といっても、映画やTV番組だけでなく、企業が使用する研修動画やイベント動画、美術館や観光地で使用されている解説動画など、さまざまな種類があります。

まずは動画を翻訳する映像翻訳家としておさえておきたい知識を確認しておきましょう。

映像翻訳の手法を知る

映像翻訳には大きく分けて3つの手法があります。

動画の翻訳には手法ごとに特有の決まりごとがあるため、映像翻訳家を目指すならそれぞれの目的や特徴を理解しておきましょう。
関連記事:アニメ翻訳家に求められるスキルとは?翻訳フローと需要について解説

映像翻訳家としてのスキルを身につける

映像翻訳家を目指す方法として、次の2つが挙げられます。

● 独学で翻訳スキルを身につける
● 海外に留学する
● 翻訳学校に通う

映像翻訳家になるなら、まず翻訳の基礎知識とスキルを身につけなければなりません。
翻訳には語学力だけでなく、表現力や文章力、ツールの使い方など、さまざまな知識とスキルが必要です。

特に映像翻訳は映像・音声に合わせて翻訳しなくてはならないため、より高度な表現力が求められるでしょう。
効率的に翻訳スキルを身につけるのであれば、映像翻訳に必要な知識とスキルが体系的に学べる翻訳学校に通うのがおすすめです。

動画を翻訳する映像翻訳家に求められるスキル

ここからは動画を翻訳する映像翻訳家が、特に求められる5つのスキルを解説します。

語学スキル

流れている映像の内容や、作品全体の文脈に沿った翻訳をするには、高い語学スキルが必要不可欠です。
高い語学スキルとは語彙力はもちろん、現地の文化的背景や習慣に基づいた言語知識を指します。
また、作品の種類にもよりますが、字幕翻訳では英語のセリフ1秒間につき日本語4文字というルールがあります。視聴者は映像を楽しみながら文字を読むため、映像の邪魔にならない、ぱっと見てすぐに理解できる言葉で翻訳します。状況に応じ相応しい言葉を選べる日本語力も必要です。

作品の理解力

映像翻訳家に求められるスキルのなかでも重要視されるのが作品の理解力です。
セリフを訳すには、そのセリフに込められた人物の想いを汲み取らなければなりませんし、それには物語の全体像、歴史背景や作品のメッセージなども正確に読み取る力が必要です。また制作側の意図を理解し、作品の世界観を視聴者に届けようという姿勢も大切です。
このスキルを磨くには多くの作品を鑑賞し、監督のインタビューやレビューといった周辺情報があれば目を通し、作品を多角的に理解する経験を積む必要があるでしょう。映像作品が好きな方であれば、自然と行っていることかもしれません。

表現力

翻訳には優れた表現力が求められますが、特に映像翻訳には映像とマッチした自然な表現が必要です。
セリフや表情、キャラクター設定、音楽含めた映像の雰囲気、ストーリーなどを踏まえて適切な言葉で訳す必要があります。
エンタメ性の高い翻訳では、特に作品の世界観を損なわない言葉選びが大切です。
ビジネスで利用する動画も、視聴者を意識した表現で翻訳しなければならないでしょう。

要約力

字幕翻訳では、セリフを字数制限内に収めなくてはならないため、セリフの意図を損なわずに短い言葉で表現するスキルが重要です。映像を見れば分かる部分はそぎ落とす、長い固有名詞は言い替えるといった字幕ならではの工夫が必要です。日ごろから多くの字幕作品を鑑賞し、プロの工夫を参考にすると良いでしょう。

集中力

映像翻訳に限りませんが、動画を翻訳するには高い集中力が求められます。
台本に書かれたセリフだけでなく、人物の動きや表情、服装、背景といった、映像の中のすべてが情報であり作品の要素です。大事な部分を見落とした状態で翻訳してしまうと、視聴者に作品を正しく届けられなくなります。映像翻訳家にとって映像をすみずみまでチェックする集中力は欠かせません。

映像翻訳の仕事の流れ

映像翻訳の仕事は、映像の日本語版制作会社から発注されるケースが一般的です。

ここで、一般的な映像翻訳の仕事の流れを紹介します。

翻訳する手法によって流れが異なる

お伝えしたとおり、映像翻訳には字幕、吹き替え、ボイスオーバーと3種類の手法があり、仕事の流れが異なります。
発注の流れは一般的に「放送局や配給会社→映像の日本語版制作会社→翻訳家→」となります。
よって翻訳家は、日本語版制作会社とやりとりを行うケースがほとんどです。

字幕翻訳の場合

字幕翻訳の仕事の流れは、おおまかの下記の通りです。
1. 制作会社から受注
2. ハコ書き・スポッティング (翻訳家)
3. 翻訳 (翻訳家)
4. プレビューチェック
5. 字幕焼き付け

翻訳家が字幕翻訳を請け負う場合、ハコ書きやスポッティングと呼ばれる作業からアサインされるケースがほとんどです。
ハコ書きとは映像の区切りを決めることで、区切った後にセリフの秒数を測って文字数を算出するスポッティング作業が行われます。

スポッティング作業後は、実際に映像に合わせつつ、SSTやBabelといった字幕制作ソフトを使用して行うのが一般的です。
その後、字幕翻訳のルールに則って翻訳していきます。

● 英語のセリフ1秒あたり4文字程度
● 1行あたりの最大文字数は13文字程度
● 句読点は使わず、読点は半角スペース、句点は全角スペースで表現する

ほかにも細かいルールがありますが、制作会社から指定されたルールは厳守しなければなりません。

吹き替え翻訳の場合

吹き替え作品は、映像に出演する人物のセリフを翻訳し、声優が吹き替えます。翻訳するだけでなく、アフレコ収録用の台本に仕上げるのも翻訳家の仕事となります。

吹き替え翻訳の仕事の流れは、下記の通りです。

1. 制作スタッフの選出
2. 翻訳と台本作成(翻訳家)
3. 日本語版台本チェック&声優の演出
4. 収録

吹き替え翻訳は台本作成が必要なため、字幕に比べると作業量が多いと言えます。また作品によってはアフレコ収録現場に翻訳家が立ち合い、その場でセリフ調整を行うケースもあります。

まとめ

動画の翻訳を行う映像翻訳家になるには、まず基礎的な翻訳スキルを身につけるとよいでしょう。
高度な語学力や解釈力、表現力など、映像翻訳にはさまざまなスキルが求められるため、独学よりも翻訳学校で学ぶほうが効率よくスキルを習得できます。

翻訳学校では映像翻訳ならではの翻訳手法やルール術、作品の見るべきポイント、効果的なセリフ表現などが総合的に学べます。
自分で動画を翻訳してみたいと思った方は、ぜひ翻訳学校でスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

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