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翻訳家に向いている人とは?
7つの特徴と身に付けるべき3つのスキル

翻訳家を目指している方のなかには

「翻訳家を目指したいけど自分が向いているのかわからない…」
「翻訳家になるために必要なスキルがわからない…」


とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

翻訳はただ言語を変換するだけではなく、文章の背景にある文化や書き手の意図まで汲み取って表現する仕事です。

本記事では翻訳家に向いている人の特徴を7つご紹介します。
翻訳家に必要なスキルや向いていない人の特徴についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

翻訳家とは

翻訳家とは、ある言語で書かれた文章を他の言語で再現する専門職です。日本語を外国語に、または反対に訳すこともあり、原文を正しく理解し、文化的な背景やニュアンスを表現する必要があります。

ここからはおさらいとして翻訳家の業務内容と通訳者との違いについて、ご紹介します。

翻訳家の業務内容

翻訳家の主な業務内容は下記の3つに分類されます。

  • 出版翻訳

   小説や絵本、雑誌など出版作品の翻訳です。原文のニュアンスや細かい人物の感情表現、情景描写が求められます。

  • 実務翻訳

   マニュアルや契約書、マーケティング文書などビジネスに欠かせない文書の翻訳です。
   原文を正しく理解するための専門知識が求められます。

  • 映像翻訳

   映画やドラマ、ドキュメンタリーなど、映像を伴う情報の翻訳です。
   字幕と吹替があり、ルールや制限を守りながら訳す必要があるため非常に高度なスキルが求められます。

翻訳家と通訳者の違い

翻訳家も通訳者も共に異なる言語間のコミュニケーションをサポートしますが、役割が異なります。

翻訳家は文書を訳す役割があり、スピードよりも正確性が求められます。
原文の意味やニュアンスを理解したうえで翻訳する必要があるため、高い理解力と表現力が必要です。

一方、通訳者は商談やセミナーといった場で口頭のコミュニケーションの橋渡しをするため、スピーディーさが求められます。
通訳にもさまざまな種類があり、特に同時通訳では話者が話している間リアルタイムで翻訳するため、非常に高い集中力と判断力が求められるでしょう。

どちらも優れた言語能力が求められますが、求められるスキルや専門性は異なります。

翻訳家に向いている人の特徴

翻訳家に向いている人の特徴には次のような共通点があります。

① 外国語への高い理解力がある人
② 好奇心がある人
③ 独り作業が苦にならない人
④ 読書や文章を読むのが好きな人
⑤ 注意深く物事を進める人
⑥ 自己管理スキルを持っている人
⑦ 感性豊かで表現力に優れた人

ひとつずつ詳しく説明していきます。

①外国語への高い理解力がある人

翻訳家として的確な表現をするためには、外国語に対する理解が欠かせません。
言語的な知識だけでなく、背後にある意図や文化的なニュアンスも読み取れるだけの理解力が必要です。

日頃から海外の作品やニュースに触れ、言葉だけでなく他国の文化や歴史について興味を深められる人は翻訳家としての適性が高いといえるでしょう。

②好奇心がある人

翻訳家には言語の理解はもちろん、現地の最新トレンドや技術について積極的に学ぶ姿勢が必要です。
ほかにも新しい翻訳ツールや業界のトレンドなど、翻訳家として仕事をするうえでの知識も常に取り入れていく必要があります。
好奇心の強い人は、上記のような新しい知識を積極的に取り入れようとするため、翻訳家に向いているでしょう。

実際に翻訳作業をする際は原文を理解するためのリサーチが必要となることも多いため、翻訳家としての価値を高めるためにも伸ばしておきたい適性です。

③独り作業が苦にならない人

在宅での独り作業が多い翻訳家は、独りで長時間集中できる人のほうが向いています。
クライアントとのコミュニケーションはありますが、チャットやメールを通じた最低限の用件が多く、人と話すのが好きな人は翻訳の仕事を苦痛に感じるかもしれません。

独り作業が苦にならない、人と話さなくても自主的に仕事が進められる人であれば、翻訳家として活躍できるのではないでしょうか。

④読書や文章を読むのが好きな人

翻訳家は、読書や文章を読むのが好きな人に非常に向いている職種です。
さまざまな文体、ジャンルの文章に触れられるため、語彙力を伸ばすきっかけにもなります。

翻訳家として活躍されている方は読書好き、または文章を読むのが嫌いではない方が多い傾向にあります。

ジャンルを問わずさまざまな本や文章を読むのが好きな人は、翻訳家としての仕事を楽しめるのではないでしょうか。

⑤注意深く物事を進める人

翻訳ではさまざまな制約やクライアントからの用語指定が入ることがあり、細部まで注意を払いながら物事を進める必要があります。

翻訳作業中に感じた違和感や不明点をそのままにせず、辞書を引き直したり、リサーチしたりすることも重要です。
またクライアントによってフォントや文字サイズ、表記揺れなど指定が異なるため、一つずつ確認する慎重さが求められます。
単語一つでも表現によって誤解を招いてしまう可能性があるため、自分の訳文を読み返すなど丁寧な作業を行う人でなければ翻訳家は務まらないでしょう。

⑥自己管理スキルを持っている人

独り作業の多い翻訳家は、自己管理スキルがある人が向いています。
1つの案件だけ抱えている場合はもちろんですが、複数のプロジェクトを同時進行する必要がある場合は、特に厳しい自己管理が求められます。

なかでもフリーランスの翻訳家として活動していくのであれば、納期やほかの案件との調整が欠かせません。
体調管理なども含め、自己管理を徹底出来る人は翻訳家に向いているといえるでしょう。

⑦感性豊かで表現力に長けた人

翻訳は原文を読み手に伝える役割があるため、原文の意図を崩さずに表現する必要があります。
そのため、高い語学力とともに内容を深く理解できる感性と、内容にあった表現で訳せる人は、翻訳家として高い評価が得られるでしょう。

特に文芸翻訳や映像翻訳では言葉を置き換えただけでは、読者にメッセージや感動が伝わりません。
原文のニュアンスまで表現出来る人は、翻訳家として仕事に活かせるでしょう。

翻訳家に必要なスキル

翻訳家に向いている人は、ぜひ業務に必要な3つのスキルにも注目してみましょう。
これから翻訳家を目指すならどれもぜひ身につけておきたいスキルです。

読解力

翻訳家にとって重要な読解力は、原文の意味を正しく理解する基礎力です。
細かいニュアンスや、文化的背景を考慮し、読者が違和感なく読み進められるように翻訳するには読解力は欠かせません。
読解力を高めるには、さまざまなジャンルの読書がおすすめです。
ジャンル特有の言い回しやスタイルを学ぶことで、多様性や言語の複雑さが理解できるでしょう。

表現力

読解力とともに重要とされる表現力は、翻訳家になくてはならないスキルです。
翻訳家はさまざまな文章を訳しますが、文芸翻訳や映像翻訳では文脈に隠れたニュアンスを読み取り、表現しなければなりません。特に映像翻訳では限られた制約のなか翻訳する必要があり、話者の想いやキャラクター性を表現するには豊かな表現力が重要です。

表現力を磨くには本をたくさん読むほか、ドキュメンタリー番組やバラエティ番組、映画など映像作品に触れるのもよいでしょう。
多様な表現、言葉づかいを楽しみながら吸収できるのでおすすめです。

専門分野への知見

翻訳対象となる文書が専門的な場合、その内容を理解できる知識が求められます。
たとえば、医療系、法律系、技術系など、その分野で一般的に使われている専門用語や概念を正しく理解しなければ翻訳することができません。
言葉としての意味は間違っていなくても、内容に相応しい表現を選ばなければ読み手に伝わりにくくなってしまいますので、翻訳したい分野があれば専門性を磨いておきましょう。

専門分野の知見を磨くには、信頼できるサイトや専門書を読んだり、セミナーに参加したりと積極的に学ぶ姿勢が大切です。

翻訳家に向いていない人の特徴

いくら英語やドイツ語といった外国語が好きで得意でも、翻訳家に向いていない人は存在します。
優れた言語能力を持っていても、次のような特徴の人は翻訳家としてのキャリアを積みにくいでしょう。

①コミュニケーション能力が低い
②自主性がない
③責任感がない

一つずつ解説していきます。

①コミュニケーション能力が低い

翻訳家は基本的に独り作業が多いですが、クライアントや編集者とのコミュニケーションは必要不可欠です。
先方からの指示を正確に理解することはもちろん、翻訳するにあたって不明点や確認事項があれば明確に伝えるスキルが求められます。
やむを得ない納期交渉においても、後工程に配慮した誠実な対応を行えるかどうかはその人のコミュニケーションスキルです。
コミュニケーション能力が低いと、意思疎通がスムーズにいかなかったりフィードバックが理解できなくなったりしやすく、結果クライアントに負担をかけることになれば翻訳家として成功するのは難しくなるかもしれません。

②自主性がない

指示内容の確認、翻訳作業、進捗管理など、さまざまなタスクを自分で行う翻訳家は自主性がない人には向いていません。
翻訳家は翻訳作業以外にもさまざまな業務があるため、自主的に作業計画が立てられないとクライアントに迷惑がかかってしまう可能性があります。

クライアントとのコミュニケーションはあっても基本的に翻訳家は一人で行う業務が多いです。
的確に作業を進めるためにも、自主性が乏しければ翻訳家として活躍するのは難しいでしょう。

③責任感がない

自分が翻訳した文章が多くの人に影響を与えることを意識していないと、大きなトラブルに発展する可能性があります。
翻訳家が訳した後、編集者やチェッカーが訳文をチェックしますが、明らかな誤訳やミスが多ければチェックする側に負担をかけてしまいます。
また納期を守らないと、チェッカーやクライアントなどたくさんの人に迷惑がかかり、ビジネスに影響が出れば損害賠償を請求されてしまいかねません。

翻訳家になるためには

翻訳家になるために必要な資格はありません。
しかし、翻訳能力を示すためにも、翻訳に関する資格を取得するのがおすすめです。

ここからは翻訳家を目指す方へ翻訳能力を高める3つのポイントをご紹介します。

高い語学力を身につける

翻訳家になるためには、高い語学力が欠かせません。
ただ読める、文法が理解できるだけでなく、文化的背景や現地のスラングなど広義の理解も必要です。

高い語学力を身につけるためには、日常的に外国語に関わることが有効です。
海外旅行やワーキングホリデー、書籍や映像に触れるなど、取り入れやすい方法で語学力を磨いていきましょう。

翻訳能力を示す資格を取得する

翻訳家は資格がなくてもなれる職業ですが、翻訳能力を客観的に証明できる資格がいくつかあります。
今後、翻訳家を目指すなら自身の翻訳スキルをアピールするために、下記のような資格取得を目指してみてもよいでしょう。

● JTA公認翻訳専門職資格試験
● JTFほんやく検定
● 翻訳者ネットワークアメリア「クラウン会員」
● TOEIC900点以上

上記の資格は自身の知識量を測るためにも、ぜひ取得しておきたい資格です。
必須ではありませんが、翻訳家として就職する際に役立つ可能性が高いので資格取得をめざしてみてはいかがでしょうか。

専門スクールを利用する

翻訳家として基礎からしっかり身につけたい方は、翻訳専門のスクールを利用するのがおすすめです。
専門スクールでは、初心者でも翻訳に必要な技術や専門知識が学べるようカリキュラムが組まれていて、効率よく翻訳スキルが身につきます。

また、同じ目標や似た境遇の仲間と一緒に学べるため、モチベーションの維持や情報交換など、刺激が得られます。
就職支援が受けられるコースもあり、翻訳家としてのキャリアを踏み出すなら専門スクールを利用するのは有効といえるでしょう。

まとめ|翻訳家に向いている人の特徴

翻訳家に向いている人の特徴をまとめると、下記の通りです。

  • 外国語への高い理解力 言語だけでなく、その文化や社会に対する深い理解を持っている。
  • 好奇心がある 新しい知識や技術に関心を持ち、自己のスキルセットを常にアップデートする意欲がある。
  • 独り作業が苦にならない 独立して作業を進めることができ、孤独を感じることなく集中してタスクを完遂できる。
  • 読書や文章を読むのが好き 幅広いジャンルの文書に触れることで言語の豊かさを理解し、翻訳スキルを磨く。
  • 注意深く物事を進める 細部にわたる注意を払い、高品質な翻訳を提供する。
  • 自己管理スキルを持っている 複数のプロジェクトを効率的に管理し、締め切りを守る能力がある。
  • 感性豊かで表現力に長けている 原文の意図や感情を深く理解し、それを的確な表現で再現することができる。

翻訳家として活躍している人に共通しているのは、外国語への高い理解力以外にもさまざまなヒューマンスキルが求められます。
これから翻訳家を目指すなら、資格取得や専門スクールを通じ、必要なスキルを伸ばしてみてください。

翻訳家を目指すならフェロー・アカデミーへ!

最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。

翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能
です。

「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。

学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。

この記事の監修

フェローアカデミー理事長 室田陽子
フェローアカデミー理事長室田 陽子
学習院女子短期大学卒業後、株式会社サンリオに入社。4年間グリーティングカードの企画に携わる。
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。

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