担当講師
- 長友 恵子
- Keiko Nagatomo
英語圏児童文学の翻訳家(絵本から小学生・YA向け読み物まで守備範囲)。
『中世の城日誌』(岩波書店)で産経児童出版文化賞JR賞受賞。他に『住所、不定』『ぼくだけのぶちまけ日記』(共に岩波書店)、『ONE WORLDたったひとつの地球』『本おじさんのまちかど図書館』(共にフレーベル館)、『ブックキャット ネコのないしょの仕事!』(徳間書店)、『せんそうがやってきた日』(鈴木出版)、『不思議の国のアリス』(文化出版局)、『せんそうがおわるまで、あと2分』(合同出版)など多数。児童図書専門店、図書館等で定期的に紙芝居のボランティアもしている。日本国際児童図書評議会(JBBY)会員、紙芝居文化の会運営委員、やまねこ翻訳クラブ会員。
講師からのメッセージ
絵本の翻訳は、読み物にくらべて一般的に文章が短いので、翻訳を簡単に考えている人が少なからずいます。ところがいざ取り組んでみると、考えていたのとは違っていたということはありませんか?
絵本は絵と文章で成り立っていますから、両方をよく読みこまなくてはなりません。何度も読まれることを想定して、また音読されることが多いので、それらに耐えうる日本語にしたいものです。
だからといって、ひるむことはありません。絵本の翻訳の特徴は、「絵本の翻訳は楽しい」ことだと申し上げましょう。絵本の世界は、子どもと大人が分かち合って一緒に楽しめる豊かなものだと、この講座で実感していただけたらと思います。
翻訳には正解というものはありません。絵本は翻訳者に任される自由度が大きいです。講座中に、ほかの受講生の方々の訳文を読むことによって、自分の感性とはまた違った感性で翻訳された日本語に接することになります。自分以外の受講者の訳文を読み、議論しながら、絵本の翻訳を学んでいきましょう。