英訳の基本「6つの鉄則」をマスターする
日本語ネイティブにとって英訳のハードルが高い理由は二つ。「あいまいな日本語を、内容を変えずに英訳しやすい日本語に変換するテクニック」と「正しく自然な英文を書くために留意するべきポイント」を学んでいないためです。この講座では、「6つの鉄則」を軸に英訳するうえで押さえておきたい基本を身につけていきます。
日英翻訳の「6つの鉄則」
- 1. 原文(日本語)を分かりやすい日本語に「翻訳」する
- 日本語は主語や述語が省略されている、最後まで読まないと結論が分からないなど特有のクセがあり、そのまま訳そうとすると「日本語のような英語」になってしまいます。まずは原文の日本語を分かりやすい日本語に「翻訳」し、原文の意味している核の部分は何かを明確にした上で、訳文にとりかかります。
- 2.主語と述語を見極める
- 主語を何にするか(話の主体は誰なのか)、述語(動詞)は何にするかが、文章全体のトーンを決めます。
- 3.適切な構文を選択する
- どの構文を選ぶかにより「伝わる精度」が変わってきます。
- 4.時制・数を正しく処理する
- 現在完了の時制、複数・単数、冠詞などミスをしがちな英文法項目は注意して訳します。
- 5.適切な表現・単語をあてはめる
- イディオムや業界の専門用語、最新の表現など、その文章に合わせた選択が必要です。
- 6.英語として適切なリズムで書く
- 声に出して読んでみて、その英文の意味がすっとわかるか、文章の調子が自然かどうかも、大切なポイントです。音の繋がり、意味の切れ目、アクセントなどリズムを意識します。
次の文を訳してみましょう。
「申込書はオンラインにありますか?」
もちろん、前後関係によって規定されるところはありますが、この短文だけをみると、その意味の核の部分は、(鉄則1)を意識して他の表現に「翻訳」することができます。
「(これに関する)申込書は、御社のサイトにありますか?」
「申込書は、御社のサイトに行けば見つけられますか?」
「申込書は、どこを探せば見つかりますか?」
元の文章とそれほど大きな意味の違いはありませんが、文章を噛み砕き「翻訳」することで、より伝えたいことの核がはっきりします。
同時にこの「翻訳」は、英語の構文(鉄則3)を意識したものにもなっています。
1. IやYouが主語の構文
2.There is…There are…の「〜がある」の構文
3.Whereなど、いわゆる5W1Hから始まる疑問文
また英語は動詞を的確に選ぶことで、文章にキレがでます(鉄則2)。is, have, help, takeなど、特に基本的な動詞やイディオムが威力を発揮します。「6つの鉄則」を意識すると、以下のように英訳できます。
【訳例】
Is there your application form online?
Could I find your application form online?
Where can I find your application form?
Do you have your application form online?
Do you have any application form on your website?
このようなバリエーションを作ることができれば、分脈や前後関係に、より適した表現を創ることができます。
題材・テーマ
家電製品のセールスレター、・企業のWebサイト、店舗紹介、商品説明、料理のメニューや日本の観光地や文化に関する説明文などから出題。日本語によく見られる、一見主語や述語が曖昧な、英訳しにくい文章を中心に出題します。1回の課題量は、日本語350~600文字程度です。
※2024年10月に開講した講座と同じ課題を取り扱います。
(内容は変更となる場合があります)
授業の進め方
- 授業前
- 授業1週間前の正午までに訳文を提出。
- 授業当日
- 講師がチェックした訳文(全員分)と講師訳例を共有し、数名分の訳文をピックアップし英訳ポイントを解説。