井口裕美子さん
IT関連企業にて3年間就業後、2015年にカレッジコースへ入学。推薦制度を利用して、技術翻訳やローカライズを専門とする株式会社テクノ・プロ・ジャパンに就職。社内翻訳者として、技術文書やマーケティング文書などの翻訳やチェックに携わる。
実務翻訳への苦手意識が消え、やがて希望の進路に。
翻訳会社の説明会に出たら好奇心が刺激された
大学の英米文学科を卒業後、専門技術のなかった私は何でもやってみるしかないという心境でIT関連の企業に入社しました。ところが配属先の営業の仕事が肌に合わず、途中でギブアップ。退職して将来のビジョンを見つめなおしていたところ、せっかく勉強した英語をもっと磨いて翻訳の仕事でもしたら、と家族に言われて目からうろこが落ちました。当時興味があった翻訳といえば出版と映像でしたが、どちらかに絞りきれず、あらゆる分野を勉強できるカレッジコースを選んだというわけです。
前期の授業ではもともと興味のあった出版・映像翻訳の楽しさを実感するいっぽうで、実務翻訳には「わからないことだらけで怖い!」という苦手意識を持っていました。それが後期になると、選択科目で実務翻訳のジャンルが細かく分かれたことでそれぞれの得意不得意が明らかになり、前職で親しんでいたIT関連の翻訳なら比較的スムーズにこなせることが分かりました。さらに冬休み中、3分野から出題される「翻訳力診断テスト」に取り組んだら実務分野がまさかの高得点。いよいよIT系翻訳会社を第1志望に据えて就職活動をしようと決めました。
いろいろな企業説明会に出た中で、現在の就職先であるテクノ・プロ・ジャパンの「機械翻訳や人工知能の発達により、翻訳の仕事自体はもちろん消えないけれど、仕事の難易度が二極化している」という話に好奇心がとても刺激されました。また当時の自分は日本語力が強みだと感じていて、同社が日本語力を重視する姿勢を強調していたのも応募の理由の一つです。
実務はもちろん、他分野の学習も今の仕事に活きている。
将来はフリーでやっていけるだけの技術を身につけたい
テクノ・プロ・ジャパンでは外部の在宅翻訳者だけでなく社員も翻訳を手がけていて、今の自分の業務も翻訳がメインです。クライアントごとに要求されるスタイルの違いを意識して訳し、不明点は先輩方に聞きながら解決しています。
いざ仕事を始めてみると、カレッジコースの実務翻訳の科目で学んだことはどれも知っててよかったと思うことばかりですし、「IT・テクニカル(現「IT・マーケティング」)」の授業でスタイルガイドの解説を聞いたことも役立っています。また実務系映像翻訳の案件を受けたときは映像翻訳の授業で養った感覚が活かせましたし、前後の文脈から意味を汲まなければいけない文章に出合ったときは出版翻訳と映像翻訳の両方を学んだ経験が応用できています。
私は文章を書くこと自体が好きなので、最後まで訳し終えてすべて日本語になったものを見ると、それだけでちょっと嬉しい気分になります。読んでいて楽しい内容だとなおさらですね。当面の目標は1日の翻訳処理量をもっと上げることですが、将来的な目標はフリーランスになっても食べていけるだけの技術を身につけること。そのためには、知識を広げることはもちろん、自分の得意分野を確立して「この案件なら私が」と売り込めるようになりたいです。