佐藤優子さん
一般企業に5年間勤めたのちカレッジコースに入学。修了後は転職し、CRO業務を行う部署にて医薬品の安全性業務に従事する。国内外から寄せられる副作用の症例情報を、日本語から英語に、あるいは英語から日本語に翻訳する業務にも携わっている。
学習して分かった分野別の訳し方と読みやすさの工夫。
日英翻訳のクリエイティブな点も楽しかった
大学卒業後、運送会社で配送スケジュールを組む仕事をしていました。もともと英語を使う仕事を希望していたものの前職ではその機会がなく、ある日書店で翻訳の雑誌を目にしたことで翻訳の仕事に興味を持ちました。ただ、いざ通学を考えたとき、当時の仕事は週1回の講座と両立させることも難しそうだったので、思いきって退職し、学習に専念するためカレッジコースを選びました。
受講中は課題に追われ、勉強漬けの毎日でした。いろんな授業を受けてみると、分野によって訳し方がずいぶん異なることに驚きました。特に実務翻訳は単純に直訳っぽくすればよいという先入観がありましたが、読み手が理解しやすいようさまざまな工夫が必要だと分かり、面白さを覚えるようになりました。また「日英翻訳」の授業も楽しかったです。英日翻訳と比べて、一から訳文を作り上げていくクリエイティブな点に魅力を感じられました。
仕事については初めから企業への就職を希望していて、1月頃からコースの企業説明会にいくつも参加して翻訳会社に応募を始め、同時に転職サイトにも登録して英語を使う仕事全般を探していました。その結果、医療系の業務がある会社に派遣社員として勤めることになり、現在は正社員として就業を続けています。
文系出身で業界未経験でも結果を出せる医薬系の仕事。
同じような人がもっと業界に入れるようアピールしたい
現在の会社では、医薬品の安全性に関する情報を扱う業務をしています。国内や海外から集められた薬の副作用に関する情報をデータベースに入力し、日本の規制当局や海外の関係先に報告する必要があるかを判断する中で、和訳・英訳も発生します。薬と副作用の因果関係を把握することが必要なので、単なる翻訳よりも一歩進んだ、医学知識にもとづいた英語の読み方が求められます。CIOMSという英語の症例経過や医学論文など、専門性の高い文書も多いですが、一定のルールに従った書き方があるので、数をこなすうちに慣れていきました。
きちんと根拠をもって翻訳するには綿密な調べ物が欠かせませんが、カレッジコースの課題で鍛えられた調査力が仕事にも役立っています。医薬のバックグラウンドがないと難しいと思われがちな仕事ですが、私のように文系出身で業界未経験でも英語力とやる気さえあれば結果を出せると思っています。現在は顧客先に常駐して仕事をしているので、同じように文系出身で英語を使って仕事をしたい人がもっと参入できるよう、顧客先の方々にアピールしていきたいです。
カレッジコースでは多くの収穫が得られると思います。毎日翻訳の課題に追われる一年間になりますが、課題を仕事に置き換え、質の高い成果物をいかに短期間で納品するかを常に意識していれば、実際の仕事に必要なスキルが身につきます。また切磋琢磨できる仲間に出会えたことも貴重でした。私は受講前から「この一年間で出会う人はずっと付き合っていく仲間だから、積極的にコミュニケーションをとっていこう」と決めていました。そのおかげでクラスメイトたちとは今でも定期的に勉強会を開いたり、食事や旅行に出かけたりと交流が続いています。