根岸邦明さん
30年近く半導体の世界でエンジニアとして勤務し、海外事業所との関わりで英語を使う業務も行う。早期退職後、赴任先の鹿児島から家族と上京し、カレッジコースに入学。推薦制度を利用してSDLジャパンに就職し、翻訳関連業務に携わる。
エンジニア生活の中で英語を使った経験を翻訳に活かしたい
今が決断の時期と考え早期退職し、子供と同時に「進学」
フェローに入学する前は、半導体の世界で29年間エンジニアとして働いてきました。後半の17年間は海外事業所との関わりがあり、Eメール、電話会議、出張などで英語を使う機会が増え、3年半の海外赴任では現地と日本側の間に立つリエゾンとして翻訳や通訳のまねごとをしたこともあります。こういった経験を活かしていつか英語を使った仕事、特に翻訳をしたいと思うようになりました。
そんなとき、会社の人事制度変更や子供の進学など家庭事情の変化が重なり、先々を見据えて今が決断の時期と考え、2013年に早期退職をしました。同時に、住まいも赴任先の鹿児島から子供と自分の進学先となる東京に移し、本格的に翻訳を勉強するためフェローに入学しました。全日制の翻訳学校はフェローだけでしたので、それ以外は考えませんでした。社会に出た後でまとまった学習の機会を持てることはないので、フェローでの英語漬けの毎日は望む環境でしたし、喜びでもありました。
コース受講中に考えるようになった翻訳会社への就職
現在は仕事を通じて自分の成長を感じられることがやりがい
自分のバックグラウンドを活かせる実務翻訳を目指していたので、その課題には興味を持って取り組めました。専門の電気・電子分野以外でも学習を通じて新たな知識を得られるのは楽しいことです。当初はフリーランスを希望していましたが、翻訳会社の勤務経験がその後フリーランスになったときに非常に役立ったという卒業生の体験談を読むことで、具体的に翻訳会社への就職を考えるようになりました。
現在の就職先であるSDLジャパンに応募したのは、コースの企業説明会がきっかけでした。さまざまな実務翻訳を手がけていること、コーディネーター、チェッカー(レビュアー)、翻訳など幅広い業務を経験できること、そして翻訳支援ツールTradosの習熟が期待できることなどが、自分の成長につながると考えたためです。
現在はコーディネーター業務が主体ですが、フリーランス翻訳者の方たちの訳文には毎日触れていて、そこから学べることは少なくありません。翻訳の前後には多岐にわたる工程があると分かったのも、翻訳会社に勤めているからです。こうした仕事の流れや、翻訳作業の決まり事や要求事項など、実務の中で具体的に体験して覚えられるため、毎日が勉強と心得て仕事に励んでいるところです。日々忙しく過ごしていますが、新たに任される領域が増え、しだいにチームの一員になりつつあるという自分の成長を感じられることに、今はやりがいを覚えています。
※インタビュー内容は掲載当時の情報のため現在は状況が異なる場合があります。何卒ご了承ください。