小林美麗さん
金沢大学文学部文学科卒。2006年より通信講座で出版翻訳の学習を始め、2009年『真夜中のキス』(オークラ出版)でデビュー。「市ノ瀬美麗」のペンネームでロマンス翻訳を手がける。主な訳書に『令嬢は娼婦のふりをする』『危険な男の誘惑』(オークラ出版)など。長野県在住。
金沢大学文学部文学科卒。2006年より通信講座で出版翻訳の学習を始め、2009年『真夜中のキス』(オークラ出版)でデビュー。「市ノ瀬美麗」のペンネームでロマンス翻訳を手がける。主な訳書に『令嬢は娼婦のふりをする』『危険な男の誘惑』(オークラ出版)など。長野県在住。
子供の頃から読書と英語が好きで、大学で英文学を学んでいるうちに漠然と「翻訳家になれたら」と思うようになりました。翻訳家を目指そうと決心したのは、結婚してからのことです。地方在住の私には通学するのが困難なため、受講料が手頃で、ステップを踏みながら学べるフェローの通信講座を選びました。
「はじめての出版翻訳」(※)では、作品ジャンルに応じて文体を書き分ける面白さと難しさを経験しました。自分の文体がどのジャンルに向いているかを知ることができたのも良かったですね。続く「出版翻訳講座」では、ひとつの物語を作り上げる楽しさと難しさを実感。「マスターコース」においては、直接講義で現役翻訳家である先生の声を聞くことができ、地方在住者にとっては貴重な体験となりました。
どの講座でも毎回丁寧に添削していただき、ポイントがとてもわかりやすかったです。誤訳や解釈ミスの指摘だけでなく、うまく訳せたところは褒めてくださるので、自分の得意・不得意を明確に理解することもできました。先生方の親身なコメントには、どれだけ励まされたかわかりません。
プロデビューのきっかけは、受講後に応募した雑誌の翻訳コンテストです。入賞したことで出版翻訳を扱う会社との縁ができ、オーディションやトライアルを経てロマンス小説の翻訳を初受注しました。以後、コンスタントにお仕事をいただいています。仕事では、先生方からよくご指摘を受けた「原文解釈が甘い」という点を思い出し、勢いで訳さないよう注意しています。第一に心がけるのは「読みやすさ」と「ジャンルや雰囲気にあった文体」。フェローで学んだことがさまざまに役立っていると感じています。
通信講座によって有意義な勉強ができましたし、仕事でも地方暮らしがハンデだと感じたことはありません。今後も一作品ごとに全力で取り組み、いつの日か大好きなイギリス文学を訳すことができたら嬉しいですね。
(※「はじめての出版翻訳」は「出版翻訳(ライト版)」に変わりました。)
『最新版 あなたも出版翻訳家になれる』(イカロス出版発行)より転載
(Text 金田修宏)