川岸史さん
映像翻訳者として吹替・字幕を手がける一方、出版翻訳者(英・独)としても活躍中。
23歳のときに映像制作会社でアルバイトを始め、スポッティングや校正を担当していました。2年ほど経った頃に短篇アニメの吹替を任され、徐々に翻訳の割合が増えていき、2009年に独立。今は映画やTVアニメシリーズなどの吹替を主に請け負っています。
独立後、知人から短篇小説の翻訳を頼まれ、出版翻訳の面白さに気づき、フェロー・アカデミーで出版翻訳の講座を受講しました。授業では英米小説の訳し方を学びました。2011年には翻訳オーディションに挑戦し、合格。出版翻訳者としてもデビューしました。これまでに3冊手がけ、うち2作はドイツ語からの翻訳です。ドイツ語は大学時代に身につけたのですが、翻訳はルールやコツをつかめば、言語が変わっても対応できるんだと実感しました。
出版講座と並行して映像翻訳コース「吹替・字幕」も受講。「辞書の訳語はそのまま使えない」など、翻訳の基本を再確認することができました。
英語以外の言語ができると、それだけチャンスが広がります。でも一番大事なのは、技能を磨くための努力を怠らないこと。コツコツ勉強を続けられる人は、翻訳者に向いていると思います。まだまだ修行の身ですが、今後も映像と出版の二本立てで仕事をしていきたいです。劇場作品を手がけることはもちろん、大好きな女優マレーネ・ディートリッヒの本と映画を訳すという目標を、ぜひ叶えたいと思います。